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根管治療中に歯医者を変えることは可能?歯医者を変えるメリット・デメリットや歯科医院の選び方を解説

根管治療中に歯医者を変えることは可能?歯医者を変えるメリット・デメリットや歯科医院の選び方を解説

「根管治療がなかなか終わらない」「痛みが続く」「先生とのコミュニケーションが不安」そんな悩みを抱え、治療中の歯医者を変えることを検討していませんか? 根管治療は精密な処置だけに、歯科医院選びは重要です。
この記事では、治療中に歯医者さんを変える際の疑問点や、後悔しないためのメリット・デメリット、そして歯科医院選びのポイントを解説しています。あなたの不安を解消し、適切な決断をするために参考にしてみてください。

根管治療中に歯医者を変えてもよいか

根管治療中に歯医者を変えてもよいか

根管治療を受けている最中に歯医者を変えても大丈夫ですか?
根管治療を受けている最中に歯医者を変えることは可能です。
根管治療の途中だったとしても、歯医者を変えることは、ルール上の問題は特にありません。
しかし、根管治療は複雑な手順や繊細な技術を要する治療で時間もかかるため、治療を中断してほかの歯医者で再開するときに、治療状況の把握をするのが難しく、適切に治療を引きつげない可能性があります。
もし、根管治療中に歯医者を変える場合は、まず現在かかっている歯医者に相談し、新しい歯医者に引き継ぐための資料などを作成してもらうのが理想的です。
歯医者を変えるのに適したタイミングはありますか?
根管治療中で歯医者を変えたいと思ったときというのは、現在の歯医者になんらかの不満があるか、根管治療が長引いたり痛みが引かなかったりと不安を感じるといったネガティブな理由がある場合がまず考えられます。
その場合は、不安に感じたときに、できるだけ早く現在の歯医者に相談し、またほかの歯医者にも相談するセカンドオピニオンを受けてみましょう。 一方、ネガティブな理由がない場合では、根管治療中に引っ越しなどのタイミングが重なってしまったなどの理由もありえるでしょう。その場合も、できるだけ早く現在の歯医者に相談し、今後の治療スケジュールを話し合うなどして引っ越しに間に合わせるようにするか、引っ越し先の近くの歯医者に引き継ぎ書と紹介状を作成してもらうとよいでしょう。
根管治療中に歯医者を変えるメリットを教えてください
根管治療中に歯医者を変えることは推奨されませんが、変えたいなんらかの理由があった場合、考えられるメリットはいくつかあります。

治療の質が上がる

現在通っている歯医者が根管治療を専門としていない場合や経験が浅いと感じる場合は、根管治療を専門的に行う歯医者に変更することで、より質の高い治療を受けられる可能性があります。

新しい設備や技術で治療を受けられる

新しい設備や技術を取り入れた治療法を積極的に取り組んでいる歯医者に変更することで、より精密な治療を受けられる可能性があります。例えば、マイクロスコープを使った治療や、MTAセメントなどの新しい材料を使った治療など、保険診療に限らず自由診療で対応している治療など幅広い選択肢があります。

診断の精度の向上

現在の治療で症状の改善が見られないと感じた場合や、そもそも治療の必要性やその診断内容に疑問を感じている場合、別の歯医者の意見を聞くことで、より正確性の高い診断をしてもらえる可能性があります。

精神的な安心感

治療方針や説明に納得がいかない、コミュニケーションがうまく取れないなどの不満を現在の歯医者で感じている場合や、信頼関係を築けていない場合は、別の歯医者にいくことで説明のわかりやすさやコミュニケーションの取りやすさなどで信頼関係を作れる歯医者を見つけられる可能性があります。信頼感のある歯医者での治療は、精神的な負担が軽くなり、治療に対するモチベーションにもつながります。

治療期間が短くなる可能性がある

現在の治療が長引いている場合は、より専門性の高い歯医者に変更することで効率的な治療が行われ、結果的に治療期間が短くなる可能性があります。

通院しやすくなる

引っ越しなどで現在の歯医者への通院が困難になった場合、新たに自宅や職場に近い歯医者に変更することで通院の利便性が良くなります。

根管治療中に歯医者を変えるデメリットはありますか?
根管治療中に歯医者を変えることで起こりうるリスクやデメリットはあります。

引き継ぎ不足による治療の不確実性

前の歯医者から治療状況を引き継ぎがないまま新しい歯医者で治療することになった場合に、治療中の歯の状態を正確に把握することが困難になり、根管治療が本来よりも困難になったり、治療時間がかかってしまう可能性があります。
次に考えられるのが、治療中の箇所がむし歯になってしまうリスクです。新しい歯医者にかかるまでの間に時間が経ち過ぎてしまうと、治療のために穴をあけて露出している部分から細菌感染して、むし歯が悪化してしまう恐れがあります。根管治療でも対処できなくなってしまった場合、抜歯となる可能性もあります。

費用負担の増加の可能性

より高度で精密な治療を受けたくて歯医者を変えた場合、保険診療以外の自費での治療となったり、検査や使用する機械、薬剤なども高額になる可能性があります。

治療の重複や中断の可能性

新しい歯医者ではこれまでの治療経過を把握するために、再度検査を行ったり、治療を最初からやり直したりする可能性があります。これによって、治療期間がさらに長引いたり、必要でない施術を追加で受けてしまうことになる可能性があります。

歯医者を変える前にやっておくべきことはありますか?
歯医者を変えようと思ったときに、まずやっておくべきことは、新しい歯医者をよく調べておくことです。歯医者によっては根管治療を積極的にやっていないところもありますので、できれば根管治療に力を入れている歯医者を選ぶのがよいでしょう。 次にやっておくべきことは、次に行こうとしている歯医者へのセカンドオピニオンです。そもそも治療ができるのか、治療を引き継ぐことは可能かなども相談して、できればその日は治療を行わずにカウンセリングのみで帰宅するのがよいでしょう。 上記の下調べができたところで、いよいよやるべきことは、今通っている歯医者に引き継ぎの書類を作成してもらえるかの確認です。やはり、歯医者側は治療中の歯にしっかりと責任を持って完了させたいという思いがありますし、新しい歯医者も治療状況の把握をすることで適切に治療を継続することができますので、引き継ぎをスムーズに行うためには確認しておく方がよいでしょう。

根管治療を受ける歯科医院の選び方

根管治療を受ける歯科医院の選び方

根管治療を受ける歯医者選びのポイントを教えてください
まず重要なことは、根管治療を行っているか否かをチェックしましょう。歯医者によっては根管治療を積極的に行っていない場合がありますので、根管治療に力を入れている歯医者を選ぶのがよいでしょう。 そして、根管治療に対してより専門性の高い歯医者を選びましょう。根管治療は精密かつ繊細な技術が求められます。そのため、一概にはいえませんがレントゲン撮影やCTスキャン、マイクロスコープなどを導入してより精度の高い根管治療に対応している歯医者は根管治療に力を入れている場合が多いでしょう。 歯の根や根管治療に対する知識を研鑽している歯医者かどうかがわかる一つの判断材料として、専門的な学会に所属しているかどうかというのも参考になります。一般社団法人日本歯内療法学会は、歯の根や根管治療に関する指導医や専門医を教育、認定している機関ですので、こういった学会での研修を経て認定されている歯医者かどうかも確認するとよいでしょう。
保険診療と自費診療の根管治療はどのような違いがありますか?
保険診療と自費診療では、根管治療の基本的な手順は同じですが、使用する機材や、治療の精度を高めるためのさまざまな工夫、そして治療の仕上げに使用するクラウンの質など、さまざまな点で違いがあります。 例えば、治療の精度を高めるために、自費診療ではマイクロスコープを使用し、肉眼では認識することが難しい細かな部分まで確認しながら作業を行う場合があります。
治療中の再感染を防ぐために、保険診療で行われる方法だけではなく、より衛生管理を徹底して治療を自費診療で行っている歯医者もあります。 根管治療の仕上げに被せる歯冠(クラウン)の種類も、保険診療では対応できないさまざまな種類を自費診療で選べる場合があります。 自費診療の対応内容は、歯医者によって異なりますが、ほとんどの場合、保険診療の範囲内では対応できないより患者の希望に沿った治療ができるようになります。
根管治療の経験が豊富な歯医者の見つけ方はありますか?
根管治療の経験の豊富さを判断するのはとても難しいですが、ある程度参考になる判断材料はあります。 まずは、専門性の高い学会に所属していることです。一般社団法人日本歯内療法学会から認定を受けている専門医や指導医の歯医者は、根管治療に対する知見を磨いている歯医者といえます。 そして、根管治療の症例件数を明示している歯医者は、根管治療の経験が豊富であると考えられます。ほかの歯科医院より多いかどうかというよりも、しっかりと明示していることで根管治療を積極的に行っていることがわかるため、一定以上の経験はあることが推測できます。 さらに、ある程度ベテランの歯医者であればさらに経験が豊富といえます。やはり歯医者としての経験年数が長い方が、さまざまな症例を経験している可能性が高く、安心感のある治療を受けやすいと考えられます。 経験の豊富さについては、上記のポイントを踏まえて、歯医者の経歴などをみて参考にするのがよいでしょう。

根管治療中に歯医者を変える場合の注意点

根管治療中に歯医者を変える場合の注意点

相性が悪ければどんどん歯医者を変えた方がよいですか?
歯医者を変えることは問題ありませんが、短期間に何度も変えるのは避けた方がよいでしょう。
根管治療はただでさえ繊細で、治療期間もかかるものなので、できるだけ同じ歯医者で治療を完了させるのが望ましいです。しかし、相性が合わない場合に治療完了まで通い続けるのが難しいという場合もあるでしょう。
だからこそ、慎重に新しい歯医者を探して、次こそ治療を完了できるだろうという信頼できる歯医者選びをすることが大切です。
セカンドオピニオンはたくさん受けた方がよいでしょうか?
セカンドオピニオンは、多いほどいいというわけではありません。
根管治療は日数がかかるとはいえ、治療に通う間隔は数日程度しかありませんので、そのなかで多くの歯医者を回るというのも現実的ではないでしょう。 セカンドオピニオンをする場合は、1件、多くても3件程度が目安となるでしょう。
歯医者の選択肢が増えるほど、どこにすべきか迷いが生じてしまい、結果的に治療の進捗が遅れてしまうリスクもありますので、セカンドオピニオンは多くても3件以内に絞り込むのが賢明でしょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

根管治療中に歯医者さんを変えることは可能ですが、引き継ぎがうまくいかないリスクも理解しておく必要があります。
メリットとしては、治療への不安解消や通院のストレス軽減が挙げられます。しかし、デメリットとして治療期間の長期化やむし歯のリスクも考慮しなければなりません。後悔しないためには、事前の情報収集とセカンドオピニオンが重要です。
この記事を参考に、慎重に歯科医院を選び、納得のいく治療を目指しましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
松浦 京之介歯科医師(歯科医)

松浦 京之介歯科医師(歯科医)

出身大学:福岡歯科大学 / 経歴:2019年 福岡歯科大学卒業、2020年 広島大学病院研修修了、2020年 静岡県、神奈川県、佐賀県の歯科医院で勤務、2023年 医療法人高輪会にて勤務、2024年 合同会社House Call Agencyを起業 / 資格:歯科医師免許 / 所属学会:日本歯科保存学会、日本口腔外科学会、日本口腔インプラント学会

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