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根管治療

根管治療ではどのような器具が用いられるの?設備や材料・薬剤を併せて解説

根管治療ではどのような器具が用いられるの?設備や材料・薬剤を併せて解説

むし歯が進行し、歯の神経(歯髄)まで達してしまった場合に行う根管治療では、専門的な器具や設備、材料、薬剤を用いて、歯根内の神経や血管を取り除き、消毒・殺菌した後に薬剤で充填します。
本記事では、根管治療で用いられる器具、設備、材料、薬剤について解説します。

  • 根管治療で用いられる器具
  • 根管治療で用いられる設備
  • 根管治療で用いられる材料・薬剤

根管治療の器具について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

根管治療で用いられる器具

根管治療で用いられる器具

根管治療に使われるファイルの種類にはどのようなものがありますか?
根管治療に使用されるファイルには、主にステンレススチールファイルとニッケルチタンファイルの二種類があります。これらのファイルは根管の拡大や感染物質の除去に使用され、それぞれ異なる特性を持っています。
  • ステンレススチールファイル:ステンレススチール製のファイルは、器具として定番のタイプで、強度が高く、一定の柔軟性を持っています。また、この種類のファイルは直線的な根管の治療に適しています。
  • ニッケルチタンファイル:ニッケルチタン製のファイルは、高い柔軟性と弾力性で知られており、曲がりくねった根管や狭い根管の治療に適しています。このタイプのファイルは、ステンレススチールファイルよりも少ない圧力で使用できるため、根管内壁の損傷リスクを低減します。

これらのファイルは根管治療の効率を大きく向上させるため、適切なファイルの選択が治療の成功には不可欠です。また、技術の進歩により、さまざまな改良が加えられた特殊なファイルも市場に出ており、より複雑な症例に対応できるとされています。

根管治療で用いられるラバーダムの役割を教えてください。
根管治療で用いられるラバーダムの役割は、治療の効率と安全性を向上させるために重要です。ラバーダムは基本的にゴム製のシートで、治療中の歯を周囲の口腔環境から隔離します。この隔離は以下の複数の目的で利用されます。
  • 感染防止:ラバーダムは唾液や口内の細菌が治療部位に侵入するのを防ぎます。これにより、根管内の無菌状態が保たれ、感染リスクが低減します。
  • 治療部位の清潔保持:ラバーダムを使用することで、治療部位を乾燥した清潔な状態を保ちます。これは、使用する薬剤や充填材の接着力を高め、治療の質を向上させるために重要です。
  • 不快感の予防:ラバーダムは治療中に発生する削りカスや洗浄液が患者さんの喉に入ることを防ぎます。また、治療中に使用する小さな器具が誤って飲み込まれることを防ぐ役割も担っています。

このように、ラバーダムは重要な役割を果たしています。

根管治療に用いられる根管長測定器とはなんですか?
根管治療において根管長測定器(Electronic Apex Locator)は、歯の根の長さを正確に測定するために使用される重要な機器です。この装置は電気的な方法を用いて、歯の根尖(根の先端)までの距離を測定します。これにより、歯科医師は根管内のクリーニングや充填作業をより精密に行うことが可能となります。従来、根の長さはX線を用いて推定されていましたが、根管長測定器の使用により、X線撮影の必要回数が減少し、結果として患者さんの放射線への露出も抑えることが可能です。また、この技術を利用することで、より正確な位置での根管クリーニングと充填が行えるため、治療の成功率が向上することが期待されます。特に複雑に曲がった根管や異常な長さを持つ根管の治療において、根管長測定器は歯科医師にとってとても有用なツールとなります。

根管治療で用いられる設備

根管治療で用いられる設備

マイクロスコープはどのような機械ですか?
マイクロスコープは、歯科治療において重要な役割を果たす特殊な顕微鏡です。この機器は、歯の内部構造を詳細に観察することを可能にし、日本の歯科医院全体の約3%のみが導入している高度な技術を要する装置です。マイクロスコープを使用することで、歯の根管内の微細な構造や細かい枝分かれを鮮明に視認できるため、治療の精度が大幅に向上します。また、強力な照明機能を備えており、根管治療における観察作業を助け、より良い治療結果をもたらすことが期待されます。
歯科用CTは根管治療にどのように役立ちますか?
歯科用CTは根管治療においてとても役立つツールです。従来のレントゲンより、歯科用CTは歯や顎の骨を360度から詳細に可視化することが可能です。この高度なイメージング技術により、歯の根の複雑な構造や病変を正確に把握でき、治療計画をより適切に立てることが可能になります。さらに、歯の根周囲の状態を詳しく観察できるため、治療の精度を向上させ、成功率を高めることが期待されます。このように、歯科用CTは根管治療の効果を高めるための重要な診断ツールです。
デジタルレントゲンは従来のレントゲンと何が異なりますか?
デジタルレントゲンは従来のレントゲンといくつか異なります。まず、画像の明瞭度が格段に向上していることと、撮影後すぐに画像を見られる点です。これにより、診断と治療の決定が迅速に行えます。また、デジタルレントゲンは放射線の量を従来のレントゲンより大幅に削減できるため、患者さんへのリスクが低減されます。さらに、撮影した画像はデジタルデータとして保存・管理されるため、長期的な追跡調査やほかの医療提供者との情報共有もできます。これらの特徴により、デジタルレントゲンは診断の精度を向上させ、より良い治療計画をサポートします。

根管治療で用いられる材料・薬剤

根管治療で用いられる材料・薬剤

根管充填剤について教えてください。
根管充填剤は、根管治療後に歯の根管内部を密封し、感染の再発を防ぐために使用される重要な材料です。
根管充填剤は、根管の複雑な構造を埋め封印でき、根管内部の細菌から歯を保護します。このようにして、根管充填剤は根管治療の成功において重要な役割を担います。
根管治療のガッタパーチャとはなんですか?
根管充填剤として使用される「ガッタパーチャ」は、天然のゴム素材で、歯の根管治療における充填材として広く使用されています。この材料は生体親和性が高く、体内での拒否反応が少ないため、患者さんへの安全性が高いとされています。
さらに、熱を加えると柔らかくなり、治療中に根管内へ適切に充填しやすい特性があります。しかし、ガッタパーチャには殺菌力がないため、それを補うために通常、セメント材と併用されます。
MTAセメントについて詳しく教えてください。
MTAセメントは、根管治療や歯髄の覆髄処置に用いられる歯科材料です。
このセメントはアルカリ性(pH12)を持ち、高い殺菌性と優れた封鎖性が特徴です。MTAセメントは親水性が高いため、水分が含まれている口腔内環境でも使用できます。主に根尖閉鎖、根管壁の修復、歯髄の保存治療などに利用され、その生体適合性と治癒促進の能力により広く信頼されています。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで根管治療ではどのような器具が用いられるのかについてお伝えしてきました。根管治療ではどのような器具が用いられるのかの要点をまとめると以下の通りです。

  • 根管治療に使用されるファイルには、主にステンレススチールファイルとニッケルチタンファイルの二種類があり、根管の拡大や感染物質の除去に使用され、それぞれ特有の特性を持っている
  • 根管治療で使用される根管長測定器は、根管治療の際に歯の根の長さを正確に測定するための機器
  • 根管充填剤は、根管治療後に歯の根管内部を封鎖するために使用される材料で、体内での拒否反応が少ないガッタパーチャが広く使用されている

根管治療は、ハイレベルな技術と知識が必要な高度な治療です。治療を受ける前に、歯科医院で十分な説明を受け、納得してから治療を受けるようにしましょう。
治療に関する具体的な質問は、必ず歯科医師にご相談ください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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