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根管治療でアレルギーが起こることがある?使用される素材とアレルギーの可能性、対処法を解説

根管治療でアレルギーが起こることがある?使用される素材とアレルギーの可能性、対処法を解説

口内炎が治ってもすぐまたできる、手の平や足の裏に水ぶくれができて痒い、などのアレルギー症状で困っていませんか?

顔や背中にできた発疹も、もしかすると原因は口腔内にあるかもしれません。

この記事では根管治療中や治療後に起こりうるアレルギーの症状や対処法などを解説していきます。

また、根管治療の流れについても解説しているため、これまで重度のむし歯を経験したことがない人もぜひ参考にしてみてください。

根管治療について

治療中

根管治療とはどのような治療ですか?
歯に穴を開けて傷んだ歯髄を取り除く治療方法で、むし歯の進行が歯髄にまで達している場合や、外傷などによって歯髄が壊死した場合に適応されます。歯髄は歯の中心部分にあり、神経組織や毛細血管が集まっている場所です。ここでは治療の流れを5つの行程に分けて解説していきます。
  1. 診察:レントゲン検査やCT検査で歯の状態を確認し、治療計画を立案
  2. 歯髄の除去:麻酔薬を投与後に傷んだ歯髄や溜まった膿を除去
  3. 消毒・殺菌:消毒薬を詰める(根管内がきれいになるまで週に1回のペースで数回繰り返す)
  4. 詰め物をする:再び細菌が侵入しないよう、歯髄を除去した部分に詰め物をする
  5. 土台と被せ物を装着する:歯を補強するために土台を立て、さらに上から被せ物を装着する
どのような症状がある場合に行われますか?
根管治療の適応は歯髄炎や歯髄壊死、根尖性歯周炎などです。歯髄炎とは歯髄に炎症が起きている状態で、冷たいものがしみたり熱いもので痛みを感じたりといった症状がみられます。歯髄炎を放置すると歯の神経は死んでしまい、歯髄壊死となります。温度刺激による痛みを感じなくなるため症状が消えたよくなったと感じるのが特徴です。また、歯髄が壊死した歯は黒っぽく変色します。重度のむし歯や歯周病を放置すると、炎症は骨の中まで進行し根尖性歯周炎を引き起こします。症状は以下のとおりです。
  • 歯茎や顎が腫れる
  • 噛むと痛い
  • 歯茎から膿が出る
  • 歯茎ににきびのようなできものができる

以前根管治療を行った歯が再び細菌感染を起こし、根尖性歯周炎となることもあります。根管の内部は複雑な仕組みとなっており、細菌感染や腫れなどの異常を肉眼で発見することは難しいといわれています。そのため、一度治療を受けた場所でも、気になる症状があれば早めに歯科医院で受診しましょう。

根管治療で使用される歯科素材を教えてください。
根管治療で使用される素材にはさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここでは土台に使用される素材を3種類ご紹介します。1つ目はメタルコアです。金属製で強度があり、保険適用となるのがメリットです。しかし、金属は歯よりも硬いため、食いしばりなどによってほかの歯が傷ついたり折れたりするリスクがあります。また、金属アレルギーのある患者さんには使用できません。2つ目はレジンコアです。プラスチック製でこちらも保険が適用されます。白色なので治療の痕が目立ちにくい点がメリットですが、強度がなく折れやすいのがデメリットです。3つ目はファイバーコアです。樹脂性で、型採りが不要または削る歯が少なくて済むなどのメリットがあります。しかし、保険が適用されないため費用が高くなります。それぞれのメリット・デメリットを確認したうえで、主治医と相談しながら選びましょう。

根管治療で起こりうるアレルギーの原因や症状

口を開けている写真

根管治療でアレルギーが起こることはありますか?
治療で使用する物品や素材によって、アレルギー症状が出現する可能性があります。なかでも注意が必要なのがラテックスアレルギーです。数分で赤く腫れたり痒くなったりなどの症状が出現し、重篤なアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。また、根管治療後から口腔内や舌がただれている、口内炎を繰り返している場合は、金属アレルギーやレジンアレルギーの症状である可能性があります。顔や手足など口以外の部位にも症状が出現するため、心当たりがある場合は早めに歯科医院もしくは皮膚科で受診してください。
根管治療で起こりうるアレルギーの原因と症状を教えてください。
根管治療で起こりうるアレルギーには、治療中に症状が出る即時型アレルギーと、治療後半日~数日後に症状が出る遅延型アレルギーとがあります。即時型アレルギーの原因としては、スタッフが装着するゴム手袋やラバーダム防湿で使用するゴムシートがあります。ラバーダム防湿とは、ゴム製のシートを治療する歯に取り付ける方法です。治療中の根管内に唾液が入り込むのを防ぎ、細菌感染を予防する役割があります。ラテックスアレルギーを持つ患者さんはゴム製品に触れることでアレルギー反応を引き起こすリスクがあり、触れた部分に以下のような症状があらわれます。
  • 皮膚が赤くなる
  • 腫れる
  • 蕁麻疹が出る
  • 痒くなる

重篤なアナフィラキシーショックを引き起こすリスクがあり、のどの痒みや違和感、息苦しい感じがみられた場合には注意が必要です。治療中であってもすぐにスタッフに伝えましょう。これまでゴム製品でアレルギー症状が出たことがない人も、バナナやアボカドキウイなどの食物アレルギーを持っている人は注意が必要です。ラテックスアレルギーを併せ持っている可能性があるため、歯科医院を受診する際には事前に伝えておきましょう。ノンラテックス製のゴムシートを用意している歯科医院もあります。遅延型アレルギーの原因としては、レジンアレルギーや金属アレルギーなどがあります。根管治療後半日から数日のうちに何らかの症状がみられた場合、疑われるのはレジンアレルギーです。気になる症状があれば、迷わず皮膚科や歯科医院に相談してみましょう。詰め物や被せ物として使用される銀歯は金銀パラジウム合金でできており、金属アレルギーの原因になり得ます。これまで金属アレルギーがなかった人でも、少しずつ溶けだした金属イオンが体内に蓄積して発症することがあるため注意が必要です。金属やレジンが原因である場合は、以下のような症状が出現します。

  • 口腔内が赤く腫れる
  • 舌が痛い
  • 口内炎が繰り返しできる・治らない
  • 顔や背中など全身に発疹ができる
  • 手の平や足の裏にみずぶくれができる

また、手の平や足の裏に繰り返しみずぶくれができる場合は、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)かもしれません。金属アレルギーが原因の一つとして考えられており、手の平や足の裏に以下のような症状がみられます。

  • 小さな水ぶくれがたくさんできる
  • 膿を含んだできもの
  • かさかさした赤い発疹

皮膚科の治療を受けても症状が改善しない場合、原因は歯の詰め物にあるかもしれません。気になる症状があれば、かかりつけの歯科医院で相談してみましょう。

編集部まとめ

治療器具

根管治療で起こりうるアレルギーとしてあげられるのは、ラテックスアレルギーやレジンアレルギー金属アレルギーなどです。

アレルギー症状が出現した場合は原因となる素材を取り除き、アレルゲンを含まない物に替える対応をとります。

しかし、消毒薬や抗生剤などアレルギーの原因となる物はほかにもたくさんあります。

アクセサリーなどの金属で肌が荒れた経験がある、食物アレルギーがあるなどの情報は事前に伝えておきましょう

アレルゲンになりうる素材を避けることで、アレルギーの発症を未然に防ぎやすくなります。

また、口腔内にトラブルが生じた場合はかかりつけの歯科医院を、皮膚症状がみられる場合には皮膚科をできるだけ早く受診しましょう。

皮膚科で受診する際、歯の治療歴があることを伝えることでアレルギー検査を受けられるかもしれません。

気になる症状があれば放置せずに診察を受けましょう。早い段階で原因を特定・除去できれば、症状の重症化を防ぐことができます。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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