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根管治療

根管治療で痛いのはいつまで続く?痛みが長引く原因・対処法についても解説

根管治療で痛いのはいつまで続く?痛みが長引く原因・対処法についても解説

根管治療は、むし歯や歯の感染が進行した際に行われる治療法です。歯の神経を取り除いて、内部の清掃・消毒をして、再感染を防ぐことが目的です。

治療後に痛みや違和感が生じることもあり、その期間や程度には個人差があります。

しかし、いつまで経っても痛みが引かない場合は、何らかの問題が関与している可能性が考えられます。

そこで本記事では、根管治療後の痛みが続く期間や痛みが長引く原因、その対処法についてわかりやすく解説します。

痛みへの不安を軽減し、適切な対応ができるようお役立ていただけると幸いです。

根管治療で痛い原因

虫歯

根管治療で痛い原因は何ですか?
根管治療に関する痛みの原因は主に3つあります。
  • 治療前の慢性痛
  • 治療前の急性痛
  • 治療後の一時的な痛み

治療前の慢性痛は、歯髄の壊死や根尖に溜まった膿により、鈍い痛みや違和感として現れます。また、治療前の急性痛は歯髄の壊死や根尖に溜まった膿による圧力の上昇が原因で、激しい痛みとして現れます。
これは、急性化膿性根尖性歯周炎と呼ばれる状態です。治療後の一時的な痛みは、根管内の感染源が除去されたことで身体の免疫反応が活性化し、残存する膿を排出しようとすることが原因です。

根管治療で痛いのはいつまで続きますか?
根管治療後の痛みは珍しいものではなく、多くの場合は時間の経過とともに改善されます。根管治療後の痛みの経過を紹介します。
  • 治療直後の2~3日間
  • 1週間程度
  • 長期的な経過

治療直後の2~3日は、痛みや違和感が出やすい状態です。これは治療が順調に進んでいる場合でも起こる現象です。1週間後には、ほとんどの痛みが消失します。ただし、根管治療を受けた歯の感覚が完全に落ち着くまでには、約6ヶ月の期間が必要で長期的な経過を観察する必要があります。

根管治療後に痛みが出ることはありますか?
根管治療後には、一般的に痛みを感じます。患者さんの半数以上が、程度の強弱に関わらず根管治療後には何らかの痛みを訴えることも少なくありません。

根管治療で痛いときの対処法

模型の歯を鉛筆で差す人の手元

根管治療で痛いときに鎮痛剤は効果がありますか?
根管治療後の痛みに対して、鎮痛剤を用いることは効果があります。特にNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が術後疼痛の第一選択薬とされています。NSAIDsの効果は、炎症を抑制し、痛みを軽減することです。NSAIDsの一般的な製品を紹介します。
  • ロキソニン
  • アスピリン
  • セレコックス
  • ボルタレン
  • ナイキサン

このなかで、歯科でもよく使われるのがロキソニンです。市販薬のロキソニンを服用しても可能です。ただし、小児にはNSAIDsは推奨されていません。そのため、子どもにはアセトアミノフェンという別の成分の薬が使われます。添付文書をよく確認して、適切な薬を選ぶようにしましょう。

根管治療で痛いときは冷やしてもよいですか?
冷やして炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。頬にタオルで包んだ保冷剤を当てて軽く冷やすことが推奨されます。ただし、より冷やすために直接口腔内に冷水や氷を含むなどの過度な冷却は避けましょう。
根管治療後の痛みへの対処は、症状や原因によって適切な方法が異なります。自己判断せず、歯科医師の指示にしたがうことが大切です。根管治療の痛みで患部を冷やす利点を紹介します。
  • 炎症を軽減させる
  • 痛みを和らげる
  • さらなる腫れを防ぐ
  • 非侵襲的で安全性が高い
  • 管理が簡単
  • ほかの治療との組み合わせに効果的

患部を冷やすことで血管を収縮させて患部への血流を減らします。これが、炎症や腫れの軽減に大きく貢献し、痛みの軽減につながります。また、薬物の介入を必要としないため、とてもシンプルで非侵襲的な方法です。
一般的に安全性が高く、処方箋や特別な機器なしで自宅で行えるという利点もあります。次に具体的な患部の冷やし方を紹介します。

  • アイスパックを作る
  • 15~20分間患部に当てる
  • 休憩を取る
  • 必要に応じて調整する
  • 直接接触は避ける
  • ほかの治療と組み合わせる

まずは、保冷剤や氷の入った袋などをタオルに包んでアイスパックを作ります。凍傷を防ぐために、保冷剤などが直接皮膚に当たらないようにしましょう。アイスパックを頬に当てるのは15~20分が適切です。皮膚を過度に冷やすことなく、腫れや炎症を抑えることができるでしょう。
再度、患部を冷やす場合には少なくとも、1時間程度の休憩を取るとより効果的です。休憩を取ることで皮膚の損傷を防ぎ、組織を通常の温度に戻すことができます。また治療効果をより高めるためには、歯科医師と相談のうえ、鎮痛剤などを併用して治療を進めることも有効です。

根管治療で痛いときに避けた方がよいことはありますか?
根管治療で痛みを伴う場合に、避けるべきことを紹介します。
  • 硬い食べ物を噛む
  • 極端に熱いものや冷たいものを食べること
  • 治療直後の食事
  • 過度の運動

痛みが長引く、または腫れがひどい場合は歯科医師に相談しましょう。根管治療後の痛みは通常2〜3日で治まりますが、それ以上続く場合は診察が必要です。

根管治療で痛い状態が長引いた場合

歯医者と男性患者

痛い状態が長引いている場合に考えられる原因を教えてください
根管治療後に痛みが長引く場合、いくつかの原因が考えられます。主な要因として、根管内の神経組織が完全に除去されていない・膿が残存している・歯根膜に炎症が起きている・詰めた薬剤の圧力がかかっている・歯根が破折しているなどが挙げられます。
さらに痛みが慢性化すると血行不良により痛みを起こす物質が増加したり、痛みの悪循環が形成されたりすることも少なくありません。また、脳内の痛みを抑える神経の機能が低下することも、痛みの持続に関与するといわれています。これらいくつかの要因が複合的に作用し、治療後も痛みが続くとされています。
根管治療では痛みが長引いても、きちんと治療を行うことが大切です。根管治療は歯の神経が入っている歯髄腔をきれいにすることで細菌が入り込まないように薬物で蓋をする治療です。
歯髄腔では、神経が死んでしまったことにより細菌が増殖しやすくなります。この細菌によって副鼻腔炎や骨髄炎などの大きな病気になることも少なくありません。この細菌は自然に消えてしまうことがないため、物理的に細菌を取り除く必要があります。
そして新たに細菌が入らないように薬物を歯髄腔に緊密に詰める必要性があります。根管治療をすることで神経が死んでしまった歯でも、細菌に侵されることなく長い期間、歯を残存させることが可能です。
管治療後に痛みが長引いても自然に治りますか?
根管治療後の痛みが長引く場合、自然に治る可能性はありますが、必ずしもすべてのケースで自然治癒するわけではありません。多くの場合、軽度の痛みは1週間程度で治りますが、2週間以上続く場合は注意が必要です。長引く痛みの原因には、残存する感染・不完全な治療・咬合の問題などがあります。
痛みが持続する場合は、歯科医師に相談して原因を特定し、適切な処置を受けることが重要です。自己判断で放置せず、歯科医師の診断を受けることで、より早い回復につながる可能性があります。

編集部まとめ

歯ブラシと模型と医師

根管治療後の痛みは多くの患者さんが経験する一般的な症状です。

通常、この痛みは数日から1週間程度で軽減しますが、場合によっては長引くこともあります。

痛みの原因には、残存する神経組織や膿、歯根膜の炎症などが考えられます。対処法としては、鎮痛剤の服用や患部を冷やすことが効果的です。

鎮痛剤としては、第一選択薬としてNSAIDs(非ステロイド性抗炎症剤)が歯科ではよく用いられます。

また、硬い食べ物や極端な温度の飲食物を避けることも重要です。痛みが2週間以上続く場合や、症状が悪化する場合は、必ず歯科医師に相談しましょう。

根管治療後の適切なケアと経過観察により、多くの場合、痛みは徐々に改善していきます。

不安な点があれば、躊躇せず歯科医師に相談することが、早期回復への近道となります。

参考文献

この記事の監修歯科医師
木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

北海道大学歯学部卒業 / 医療法人社団天祐会 副理事長 / 専門はマウスピース矯正、小児矯正 / 一般歯科全般もOK

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