注目のトピック

根管治療

根管治療後は銀歯を入れる?銀歯のメリット・デメリットや被せ物の種類などを解説

根管治療後は銀歯を入れる?銀歯のメリット・デメリットや被せ物の種類などを解説

根管治療で削った歯に被せる素材にお悩みですか?実は現在の歯科治療では、銀歯のほかにもさまざまな素材があり、それぞれに違いがあります。根幹治療後の被せ物(クラウン)に銀歯を選択しても問題ないのか、また、銀歯以外の素材と比較してどのような違いがあるのかなどについて解説します。

根管治療後の被せ物について

根管治療後の被せ物について

根管治療とはどのような治療ですか?
根管治療は、むし歯や外傷などによって感染したり壊死してしまった歯髄(歯の中にある神経や血管などの組織)を取り除く治療のことを言います。
根管治療を行う際は、まずは麻酔を行い、痛みを抑えた状態でむし歯を削って歯髄を露出させます。
歯髄が露出したら、ファイルという専用の器具を使用して根管(神経が通っている歯根にある管)の中を掃除し、歯髄を除去していきます。
ただし、これだけでは細菌の感染が残っている可能性があるため、根管を広げて中に殺菌力がある薬を詰めて蓋をして、内部に残る菌をすみずみまで除去していきます。
薬をつめて蓋をしてからは1週間程度で再度診察を受ける流れとなりますが、完全な殺菌ができるまでこの治療は何回か繰り返される場合もあります。 菌がなくなったと判断されたら根管治療は終了し、土台を作って被せ物の治療へと移行します。
根管治療が必要になるのはどういったケースですか?
根管治療は歯髄が感染したり壊死したときに必要になります。
具体的なケースとしては、歯髄炎や、歯髄壊死、根尖性歯周炎などです。
歯髄炎とは、むし歯が歯髄まで進行して炎症を起こしている状態です。炎症後に正常な状態に戻る場合は根管治療は必要ありませんが、回復しない場合は歯髄を除去する必要があります。
歯髄壊死とは、歯髄炎を放置したり、外傷によって脱臼したりした結果、歯髄の細胞が死んでしまった状態です。歯髄壊死になると痛みは感じなくなりますが、歯の色が変色したり、歯が脆くなっていくため、根管治療をして補強をしておく必要があります。
根尖性歯周炎とは、骨まで炎症が進んでしまっている状態のことです。むし歯を放置したり、過去に根管治療を行ったところに起こります。噛むと痛みを感じたり、歯茎が腫れたりすることが特徴です。歯がぐらぐらしたり、最悪の場合は歯を失ってしまうリスクがあるため、根管治療が必要となります。
根管治療後に被せ物をするのはなぜですか?
治療後も歯をできるだけ長く使えるようにするためです。
根管治療は、歯の内側の歯髄を露出して行うため、どうしても歯の上の部分を大きく削る必要があります。また、根幹治療では歯髄を除去してしまうため、歯の内部が空洞になってしまいます。
治療でできた空洞に薬を入れて補強し、さらに歯の上の部分に被せ物をすることで、できるだけ歯を温存し、長く使える状態にできます。

根管治療後に銀歯を入れるメリット・デメリット

根管治療後に銀歯を入れるメリット・デメリット

銀歯とはどのような歯ですか?
歯の治療後の被せ物や詰め物として、銀色の素材を使ったものをまとめて銀歯と言います。
銀歯の被せ物は、金や銀、パラジウムなどの合金で作られていて、セラミックなどに比べて適度な柔軟性があることから、加工のしやすさや、噛み合わせのあいやすさなどから、長い間歯科治療で多く使われてきました。
根管治療後に銀歯を入れるメリットを教えてください
銀歯の最大のメリットは費用の安さです。保険適用となるため、1本数千円程度に費用が抑えられます。
また、強く噛んでも割れにくい強度の高さもメリットといえます。
根管治療後に銀歯を入れるデメリットはありますか?
銀歯にはいくつかメリットがある反面、デメリットもあります。
まず、銀歯と自分の歯の境目からむし歯になりやすい点です。銀歯そのものはむし歯で穴が開くということはあまりないのですが、銀歯と歯の境目には汚れが入り込みやすく、治療をしていない健康な歯に比べてむし歯のリスクが高くなります。また、銀歯と歯の接着部分が、熱いものや冷たい物を食べたり、噛むときの圧力がかかることで次第に劣化して、接着面に隙間ができ、銀歯の内側にむし歯ができてしまったり、銀歯が取れてしまうなどが起こりえます。
そして、上記に挙げたような機能面だけではなく、審美性が低いという点もデメリットといえるでしょう。
銀歯をいれる際の注意点を教えてください
前述したとおり、銀歯にすると銀歯の内側にむし歯ができることがあります。そのため、むし歯に気付きにくく、知らない間にむし歯が進行してしまい、場合によってはいつの間にか根管治療が必要な状態になってしまうということがあります。
また、銀歯は変形しやすく、経年劣化しますので、5年から7年程度で付け替えが推奨されていますので、次の付け替えまでにどの素材の被せ物にするのかの検討をしておくとよいでしょう。

根管治療後の銀歯以外の被せ物について

根管治療後の銀歯以外の被せ物について

銀歯以外の被せ物の種類を教えてください
根幹治療後に使われる被せ物の素材として、大きくわけて金属の素材と非金属の素材とがあります。
金属の素材には、保険適用のものでは金銀パラジウム合金やチタン、チタン合金があり、保険適用外のものでは金合金などがあります。
非金属の素材には、強化プラスチックのコンポジットレジンやピーク樹脂、セラミックの陶材や二ケイ酸リチウムガラスセラミック、ジルコニアと呼ばれるものがあります。非金属の素材のなかでコンポジットレジンは保険適用となりますが、それ以外は保険適用外となります。
銀歯以外の被せ物の費用の目安はどのくらいですか?
保険適用の被せ物であれば、数千円程度が目安となりますが、保険適用外の被せ物となると、歯科医院によって自由に価格が設定できるため、費用の目安に幅があります。
また、保険適用外の場合は同じ歯科医院でも被せる範囲や形などによっても費用は異なってきます。
しかしながら、おおよその目安としては、強化プラスチックやセラミックなどの保険適用外の素材は、数万円から十数万円くらいの価格が設定されていることが多いです。
銀歯と銀歯以外の被せ物の違いを教えてください
まず、見た目の違いがあります。
銀歯は文字どおり銀色をしていますが、銀歯以外の被せ物のほとんどは自然な歯の色に近い白っぽい色をしています。
そのほかの違いとして、強度の違いがあります。
銀歯は、金属でできていることから、強く噛んだときの圧力に強く、割れにくいという特徴がありますが、一方で温度変化に弱く変形しやすかったり、酸化などにより劣化しやすいといった弱点もあります。
銀歯以外の強化プラスチックやセラミックなどの素材は、とても硬い素材のため丈夫で、変形や酸化もしにくく長持ちするという特徴がありますが、硬いものを噛んだときなどの強い衝撃が加わると、割れたりかけたりするなどのリスクもあります。

まとめ

まとめ

一度根管治療をした歯は、健康な歯に比べて根尖性歯周炎などが起こるリスクが高まります。しかし、根管治療はそう何度もできないので、むし歯や根尖性歯周炎の再発を予防することが最も重要です。
そのために重要なのが、やはり削ってしまった歯を守り補強してくれる被せ物です。被せ物の素材は保険適用の費用負担の少ないものから、保険適用外の長持ちするものまで、さまざまありますので、しっかりと検討して選んでいただきたいと思います。
しかし、いざ根管治療を行うとなった場合、検討する時間を十分に取れないまま治療が進んでいく、ということも考えられます。そんなときは、歯科医院でしっかりと相談をし、被せ物の選択肢とそれぞれのメリットやデメリットの説明を受けたうえで選ぶのがよいでしょう。 それぞれの素材の特徴を理解し、ご自身の歯の状態やライフスタイルに合った適切な被せ物を選ぶことが大切です。
このページが、根管治療後の被せ物選びの参考になれば幸いです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

記事をもっと見る

RELATED

PAGE TOP

電話コンシェルジュ専用番号

電話コンシェルジュで地域の名医を紹介します。

受付時間 平日:9時~18時
お電話でご案内できます!
0120-022-340