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根管治療

根管治療は何回通えばいい?治療の流れからセルフチェックの仕方までを紹介

根管治療は何回通えばいい?治療の流れからセルフチェックの仕方までを紹介

根管治療は、長期に及ぶことで有名な治療です。「根管治療が終わらない」「あと何回通えば根管治療から解放されるのか」。そんな感想をSNSなどで見ることも多いです。実際、根管治療は軽度のむし歯治療のように1〜2回の通院で終わることはまずありません。そこで気になるのが、根管治療の回数の目安です。根管治療で通院回数が少なくなる場合と長くなる場合の違いも気になることでしょう。ここではそうした根管治療について、通院回数という観点から詳しく解説をします。

根管治療の基本知識

根管治療の基本知識

根管治療とは、どのような治療方法ですか?
根管治療とは、歯の根っこの中にある「根管」という細い管を清掃する処置です。むし歯が進行して、歯の根に細菌感染が起こった場合などに必要となります。根管はとても細く、暗く、複雑な構造となっていることから、リーマーやファイルといった針のような器具を使って慎重に清掃しなければなりません。しかも根管は、1本の歯に複数存在していることがほとんどなので、それらすべてを清掃するのにはそれなりの期間がかかります。
根管治療の流れについて教えてください。
根管治療は、次のような流れで進行します。

STEP1:歯の神経を抜く(抜髄)
むし歯菌に感染した歯髄(しずい)を抜き取ります。施術の際には局所麻酔を施すため、痛みを感じることはありません。

STEP2:根管拡大・形成
リーマーやファイルなどを使って、根管を拡大・形成します。その過程で、根管内に残った歯髄の断片も少しずつ取り除いていきます。

STEP3:根管の消毒・洗浄
殺菌作用のある薬剤を使って根管を消毒し、汚れをきれいに洗い流します。

STEP4:根管充填
根管内の汚れをすべて取り切ったら、ガッタパーチャという樹脂材料と殺菌作用のある薬剤を詰めて密封します。

STEP5:土台の築造と歯型取り
コアと呼ばれる土台を作り、歯型を取って被せ物を製作します。

STEP6:被せ物の装着
ラボサイド(歯科技工士)が製作した被せ物を装着したら、治療は完了です。

根管治療が必要な歯の状態

根管治療が必要な歯の状態について教えてください。
根管治療は、根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)、急性歯髄炎、歯髄壊死などを発症した際に必要となります。いずれも自然に治ることはまずないため、できるだけ早期に根管治療を受けたほうが良いです。ただし、細菌感染を伴わない可逆性の歯髄炎の場合は、抜髄や根管治療を行わず、保存的な方法で対処することがあります。
根尖性歯周炎とはどのような状態ですか?
歯の根の先に細菌感染が起こって、膿の塊が形成されている状態です。感染源は根管の中にあるため、根管治療を行わない限り、症状の改善は見込めません。根尖性歯周炎が自然治癒することはなく、そのままの状態で放置していると感染の範囲がさらに広がる恐れがあります。根尖性歯周炎の主な症状は、噛んだ時の痛みや歯茎からの膿の排出です。
歯髄炎とはどのような状態ですか?
歯髄に炎症が生じている状態です。歯の神経と血管に炎症反応が起こっているため、安静時にもズキズキとした痛みが生じます。軽度の歯髄炎の場合は、冷たいものを口に含んだ時にしみる程度ですが、進行すると眠れないほどの激痛を伴います。細菌感染を伴わないケースを可逆性歯髄炎といい、消炎処置を施せば改善する場合が多いです。一方で、細菌感染を伴うケースは不可逆性歯髄炎といい、抜髄と根管治療が必須となります。
歯髄壊死とはどのような状態ですか?
なんらかの理由で歯髄が死んだ状態になっています。痛みの受容器である歯髄が失活しているため、歯痛が生じることはありません。むし歯がC3(歯の神経に達した段階)まで進行し、歯髄がボロボロに破壊されると歯髄壊死に至ります。痛みがないからといってむし歯が治ったわけではなく、依然として細菌は残存し根管内で繁殖を続けていることから、早急に治療を受ける必要があります。

ちなみに、歯の外傷が原因で歯髄壊死に至ることもあります。転んだ時の衝撃で歯に大きな力がかかると、歯髄が死んでしまいます。歯が欠けたり、痛みが生じていなかったりした場合でも、歯髄壊死が起こっている可能性があるため、歯の外傷を負った際には歯科の受診を推奨します。外傷によって歯髄壊死が起こると、しばらくしてから歯が黒く変色していきます。むし歯の場合は歯の一部分だけ黒ずみますが、歯髄壊死の場合は歯が全体的に黒く変色することから、セルフチェックもしやすいです。

根管治療の期間

根管治療の期間

根管治療では何回ぐらい通院する必要がありますか
根管治療の通院回数は、むし歯になっている歯の種類や重症度によって変わります。まず、むし歯になっているのが前歯であれば、被せ物治療まで含めて5~6回の通院で処置が完了します。むし歯になっているのが奥歯の場合、根管の数が多くなるため、7~8回の通院が必要となります。過去に治療した歯にむし歯が再発した場合の「再根管治療」は、さらに数回の通院が必要となるでしょう。
少ない回数で根管治療が終わるのはどういったケースですか?
むし歯の症状が軽く、前歯が治療対象の場合です。前歯は根管の数が少ないだけでなく、複雑に入り組んだり、根尖部で大きく曲がっていたりする可能性が低いことから、比較的少ない回数で根管治療が終わります。また、歯髄や根管の感染がない場合も、少ない通院で根管治療を終わらせやすいといえるでしょう。
根管治療の回数が多くなる場合について教えてください。
奥歯の治療で根管の数が多く重症度も高い場合は、通院回数も多くなります。歯の根の感染は、発見や治療の開始が遅れるほど、根管治療の難易度が上がって通院回数も多くなることから、早期発見・早期治療に努めることが大切です。

再発を防ぐための精密根管治療

再発を防ぐための精密根管治療

マイクロスコープを用いた根管治療について教えてください。
歯科用顕微鏡であるマイクロスコープは、治療中の視野を肉眼の数十倍程度まで拡大できる機器です。マイクロスコープに付随しているライトを照射すれば、根管の底まで視認することが可能です。つまり、術野を目で確認しながら根管内への処置を進めることができるため、根管治療の精度も大きく向上します。その結果、病変の取り残し、根管壁を傷つける、根管に穴を開ける(パーフォレーション)、根管を見落とす、といったリスクを最小限に抑えられます。
歯科用CTとはどのようなものですか?
歯科用CTとは、文字通り歯科用に改良されたCT(コンピュータ断層撮影)です。口腔周辺を撮影するのに特化したCTで、歯や根管、顎の骨の状態を3次元的に調べられます。任意の角度から観察できることから、根管の数や形態を正確に把握できます。そのため根管を見落とすリスクが減り、彎曲した根管への対策も取りやすくなります。歯科用CTはマイクロスコープと同様、精密根管治療では欠かすことのできない医療機器です。ちなみに、歯科用CTでは口腔周囲のみにエックス線を照射するため、検査に伴う被ばく量は微々たるものです。年に数回受けたとしても、健康被害を生じるリスクは低いといえます。
ラバーダム防湿とはどのような治療方法ですか?
治療する歯以外をゴム製のシートで覆う処置です。治療中、患者さんの唾液が根管内に侵入するリスクをゼロにできます。また、根管治療に使う器具は針のように細いものばかりで、落とした際に患者さんが誤飲してしまうこともありますが、ラバーダム防湿を行っていればそのリスクも取り除けます。

編集部まとめ

このように、根管治療は歯髄炎や歯髄壊死、根尖性歯周炎といった症状が認められた場合に必要となります。歯がズキズキと痛む、むし歯による歯の痛みが突然消えた(歯髄壊死)、噛んだ時に強い痛みを感じる、といった症状が認められる場合は、早急に歯科を受診しましょう。もちろん、こうしたセルフチェックでは発見できない歯の異常もあるため、口腔内に痛みや不快症状が現れたらまず歯科に相談することをおすすめします。根管治療は早期発見・早期治療を実現することで通院の回数を大幅に減らせますし、治療で痛い思いをする場面も少なくなることでしょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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