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根管治療

奥歯の根管治療に必要な回数とは?奥歯の根管治療が必要なケースや治療の流れをわかりやすく解説!

奥歯の根管治療に必要な回数とは?奥歯の根管治療が必要なケースや治療の流れをわかりやすく解説!

奥歯の根管治療は、歯の健康を守るための重要な手術です。しかし、治療回数や期間について不安を感じる方も多いでしょう。 本記事では、奥歯の根管治療の回数について以下の点を中心にご紹介します!

  • 奥歯の根管治療の回数
  • 奥歯の根管治療が必要なケース
  • 奥歯の根管治療後のケア

奥歯の根管治療の回数などを理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

根管治療とは?

根管治療とは?

根管治療とは、歯の内部にある神経や血管を含む歯髄が炎症や感染を起こした場合に取り除き、清掃と消毒して密封する治療法です。根管治療には主に抜髄と感染根管治療の2種類があります。

抜髄は、むし歯が神経まで達し、炎症を起こした際に神経を除去する治療です。感染根管治療は、さらに進行したむし歯や外傷、歯周病、以前治療した根管の再感染などで、歯の根っこが細菌感染を起こした場合に行われます。感染根管治療では、細菌や汚染物を取り除くために、根管内を洗浄と消毒し、細菌が再び侵入しないように密封します。

根管治療の回数

根管治療の回数

前歯と奥歯の根管治療は何回で完了するのでしょうか。

前歯の根管治療の回数

前歯の根管治療は、ほかの歯と比べて治療回数が少ないことが特徴です。前歯の根管の数は1本であることが多く、奥歯に比べて少ないためです。前歯の根管治療は2〜3回の通院で完了することが多いようです。
前歯は奥歯に比べて治療がしやすい部位であり、顕微鏡やCTを使った精密な治療が可能とされています。そのため、治療の成功率も高く、患者さんへの負担も少ないです。

奥歯の根管治療の回数

奥歯の根管治療は、前歯に比べて通院回数が多くなる傾向があります。奥歯の根管治療は初回治療で2〜4回の通院が必要で、その後の被せ物の装着のためにさらに2〜3回の通院が必要です。総計で4〜7回程度の通院が目安となります。
奥歯の再治療の場合は、初回治療よりも難易度が高くなるため、さらに通院回数が必要です。再治療では、根管内の薬剤を除去し、再度徹底的な洗浄や殺菌が必要となるため、根管治療だけで4〜5回、被せ物の装着を含めると6〜8回の通院が目安となります。

奥歯の根管治療が多くの通院回数を必要とする理由は、根管の数が多く、複雑な形状をしていることが多いためです。枝分かれしている根管やふさがっている根管、カーブしている根管などがある場合、治療に時間がかかります。
また、見つかりにくい根管がある場合は、さらに通院回数が増えることがあります。

奥歯の根管治療が必要なケース

奥歯の根管治療が必要なケース

どのような場合に奥歯の根管治療が必要になるか解説します。

歯の痛みを感じた時

まず、強い歯の痛みがある場合です。冷たいものや熱いものを摂取すると痛みが強くなる場合、歯髄炎や根尖性歯周炎が疑われます。歯髄炎や根尖性歯周炎の場合、根管治療が必要です。
次に、歯茎の腫れや膿が見られる場合です。歯の根元に感染が広がり、膿が溜まっている可能性があります。歯茎の腫れや膿が見られる状態を放置すると、痛みが増し、周囲の歯や骨に影響を及ぼすことがあります。
また、噛むときの痛みや違和感がある場合も要注意です。噛む力がかかると痛みが生じる場合、根の先に炎症が広がっている可能性があります。

歯の変色が見られる場合にも注意が必要です。歯が灰色や黄色に変色し、痛みやほかの問題が併せて観察される場合、歯の神経が壊死している可能性があります。

奥歯が損傷した時

外傷や事故で奥歯が折れたり欠けたりした時は、根管治療が必要になることが多いようです。外部からの強い力が加わると、歯の内部にある神経や血管が損傷し、感染や炎症が起こる可能性があります。感染や炎症を放置すると、痛みや腫れが生じ、さらに深刻な問題に発展することがあります。

また、歯にヒビや亀裂が入った場合も注意が必要です。歯の亀裂から細菌が入り込み、内部の神経や血管が感染する場合があります。そのため、歯にヒビや亀裂が入った場合も根管治療が必要となり、感染した部分を取り除き、根管を清掃と消毒して密封します。

損傷した奥歯は、見た目だけでなく、機能面でも問題を引き起こします。適切な治療を受けることで、歯を保存し、健康な状態に戻すことが可能とされています。損傷が疑われる場合は、早めに歯科医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。

奥歯の根管治療の大まかな流れ

奥歯の根管治療の大まかな流れ

奥歯の根管治療の流れを解説します。

診断と準備

まず、根管治療の初診では、歯科医が口腔内全体の状態を確認し、むし歯や歯周病の有無を検査します。レントゲンやCTスキャンを用いて精密に診断し、問題のある歯の根管の状態を把握します。
その後、カウンセリングを行い、患者さんに治療の必要性や期間、費用について説明します。診断の結果に基づき、具体的な治療計画が立てられ、痛みや腫れがある場合は応急処置が施されます。

対象の奥歯に穴を開ける

奥歯の根管治療の初期段階では、まず麻酔を施し、対象の奥歯に穴を開ける手順が行われます。穴開け作業は、むし歯や細菌感染によってダメージを受けた歯質や神経組織を除去するために必要です。歯に穴を開ける際、ドリルを使用して歯冠部にアクセスし、根管内の神経や血管を含む歯髄を露出させます。このとき、感染している部分やむし歯になっている歯質を徹底的に削り取ります。

歯髄の除去と洗浄

麻酔を施し、歯髄(歯の中の神経や血管を含む組織)を除去します。この段階では、リーマーやファイルと呼ばれる細い器具を用いて、歯髄を取り除きながら根管を拡大し、清掃を行い、根管内の汚れや感染した組織を除去します。
次に、薬剤を使って根管内を徹底的に洗浄し、細菌を除去します。

根管に詰め物を詰める

根管内部を無菌状態に保つために、空洞となった根管内に詰め物を充填します。詰め物には、ガッタパーチャという弾力性のある素材や、MTAセメントなどが使用されます。これらの素材は、細菌の侵入を防ぎ、根管内を密封する役割を果たします。
ガッタパーチャは、根管の形状に沿って隙間なく詰められ、MTAセメントは硬化しながら膨張し、より緊密な封鎖の実現につながります。詰め物を詰める際には、根管の先端までしっかりと行き渡るようにし、隅々まで詰めることで細菌の再侵入を防ぎ、治療後の感染リスクを抑えます。最後に、根管充填が完了したら、支台築造と呼ばれる土台を作り、被せ物を装着して治療が完了します。

奥歯の根管治療後のケア

奥歯の根管治療後のケア

奥歯の根管治療を終えた後はどのようなケアをすればよいのでしょうか。

定期的な診断を行う

根管治療が終了した歯は、神経を除去しているため、元の健康な歯と比べて脆弱になりがちです。したがって、治療後のメンテナンスが必要不可欠です。そのため、3〜4ヵ月に1回程度、治療後の歯に異常がないか、適切なホームケアが行われているかをチェックするために、歯科医院で定期的な診察を受けることが推奨されています。

固いものを食べない

根管治療後の歯は、神経を除去されているため元の歯よりも脆くなっており、治療直後は治療部位が固まるまで時間がかかります。そのため、固い食べ物を避けることが推奨されます。
例えば、ナッツ類や硬いキャンディ、フランスパンのような固いパン類などは避けるべきです。固い食べ物を噛むことで歯に過度な負担がかかり、割れたり、仮封材が外れたりするリスクがあります。また、治療後は一時的に歯が敏感になることが多く、固い食べ物が痛みや不快感を引き起こす可能性があります。
したがって、治療後の食事にはやわらかい食べ物を選び、可能であれば治療していない側の歯で噛むように心がけましょう。

きれいな状態を保つ

奥歯の根管治療後にきれいな状態を保つためには、適切なホームケアと歯科医院での定期的なメンテナンスが不可欠です。
まず、根管治療を受けた歯はむし歯リスクが高くなるため、日常的な歯磨きを徹底しましょう。仮詰めが入っている場合、仮詰めの部分を慎重に磨くことが重要です。
強い力で磨かず、歯一本一本を意識して丁寧に磨くことが推奨されます。再治療のリスクを減らすために、歯磨き指導を受け、正しい歯磨き方法の習得が大切です。根管治療を受けた歯は、再感染や二次的なむし歯のリスクが高いため、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助的清掃器具の活用もおすすめです。
さらに、歯科医によるプロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング(PMTC)やフッ素塗布などの専門的なケアを受けることで、歯をより健康な状態に保ちます。定期的な診断とメンテナンスは、根管治療後の歯の寿命を延ばし、長期的な口腔健康を維持するための鍵となります。

奥歯がむし歯にならないための予防

奥歯がむし歯にならないための予防

奥歯がむし歯にならないためには、どのような予防ができるのでしょうか。

細まめな水分補給を行う

奥歯がむし歯にならないためには、細まめな水分補給が重要です。水分補給は、唾液の分泌を助け、口腔内の環境を健全に保つ上で欠かせません。唾液には自浄作用があり、歯の表面に付着した食べ物のカスや細菌を洗い流す効果が期待できます。
また、唾液は歯の再石灰化を助け、酸による歯のエナメル質の損傷を防ぐ役割も果たしています。夏場などは体内の水分が減少しやすく、お口の中も乾燥しがちです。体内の水分が不足すると、唾液の分泌量も減少し、むし歯や歯周病のリスクが高まります。

さらに、適切な水分補給の方法として、水や砂糖の含まれていない飲料を摂ることが推奨されます。清涼飲料水やスポーツドリンクは糖分が多く含まれており、むしろむし歯の原因となりうるため、摂取は控えるべきです。コーヒーやお茶も、過剰に摂取すると歯の着色の原因となるため注意が必要です。こまめに水を飲むことで、口腔内の乾燥を防ぎ、唾液の分泌を維持できます。

また、食事の際には食後に水を飲むことで、食べ物のカスや酸を洗い流す効果も期待できます。水分補給は、むし歯予防だけでなく、全身の健康維持にも役立つため、積極的に行うことが重要です。適切な水分補給を心がけ、奥歯の健康を守りましょう。

デンタルフロスを使用する

奥歯がむし歯にならないための予防策として、デンタルフロスの使用は効果が期待できます。歯ブラシでは取りきれない歯と歯の間の汚れや歯垢を、デンタルフロスはしっかりと除去できます。奥歯は食べかすやプラークがたまりやすく、むし歯の原因となります。デンタルフロスの使用により、歯と歯の間の清潔さを保ち、むし歯や歯周病の予防につながります。

デンタルフロスの使い方は簡単で、フロスを歯と歯の間に通し、上下に動かすことで汚れを取り除きます。動かす際、歯茎を傷つけないように優しく操作することが大切です。また、フロスが引っかかる場合は、詰め物や被せ物が不適合になっている可能性があるため、歯科医への相談をおすすめします。

フロスの使用の習慣化は重要です。毎日のケアに取り入れ、定期的に歯科医院でのメンテナンスを行うことで、奥歯の健康を長く保ちます。

歯医者でのクリーニングを行う

奥歯がむし歯にならないための予防策として、歯医者での定期的なクリーニングを受けることは重要です。歯のクリーニングとは、歯に付着した歯垢や歯石を除去することを指し、口腔内の健康を維持できます。歯垢は食べかすや唾液、細菌が集まって形成される柔らかい汚れであり、歯石はその歯垢が硬化した硬い汚れです。歯垢はむし歯や歯周病の原因となるため、定期的に専門的なクリーニングが必要です。

歯医者でのクリーニングは、普段の歯磨きでは取りきれない部分の汚れを除去し、歯周病やむし歯の予防に効果が期待できます。また、歯科医師や歯科衛生士による歯磨き指導も行われ、正しい歯磨き方法を学ぶことで、自宅でのケアも向上します。クリーニングには、歯周ポケットのチェック、プラークや歯石の除去、歯面の滑らかさを保つための処置が含まれます。

さらに、歯のクリーニングによって口臭の予防や改善も期待できます。歯垢や歯石を除去して、口臭の原因となる細菌の繁殖を防ぎ、口腔内の清潔さを保てます。クリーニングは、定期的に受けることで効果が持続し、口腔内の健康を長期的に維持できます。

歯のクリーニングの頻度は個人の口腔内の状態によって異なりますが、3〜6ヵ月に一度の受診が推奨されています。歯石がつきやすい方や着色が気になる方は、より頻繁にクリーニングを受けることが望ましいです。

まとめ

まとめ

ここまで奥歯の根管治療の回数などをお伝えしてきました。 奥歯の根管治療の回数の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 奥歯の根管治療は初回治療で2〜4回の通院が必要で、その後の被せ物の装着でさらに2〜3回の通院が必要になるため、総計で4〜7回程度の通院が目安となる
  • 歯の痛みを感じた時や奥歯が損傷した時は、奥歯の根管治療が必要になる場合がある
  • 奥歯の根管治療後は定期的なメンテンスや固いものを食べないなどの注意が必要

奥歯の根管治療は、回数や期間を理解することで納得して治療を受けられます。歯科医師と相談し、ご自身に合った治療計画を立てましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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