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マイクロスコープを用いた歯科治療のデメリットは?メリットや治療内容についても解説

マイクロスコープを用いた歯科治療のデメリットは?

マイクロスコープをご存知でしょうか?マイクロスコープとは直訳すると顕微鏡のことです。最近では、歯科治療用のマイクロスコープを導入した歯科医院も増えてきています。

先進的な設備で優れた治療が行えるというイメージがありますが、はたしてマイクロスコープを使用した歯科治療とはどのようなものなのでしょうか。

また、治療方法を選択する際は、メリット・デメリットを総合的に考慮して選択することが求められます。マイクロスコープ治療にもデメリットは存在するのでしょうか。

本記事では、マイクロスコープを用いた歯科治療のメリット・デメリット・治療内容について解説していきます。

読み進めていただくことで、マイクロスコープを用いた歯科治療の疑問は解決するでしょう。ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。

マイクロスコープを用いた歯科治療のデメリット

マイクロスコープを用いた歯科治療のデメリット

なぜ治療時間が長くなってしまうのでしょうか?
マイクロスコープは肉眼の約20倍程度にまで拡大して見ることができます。
これにより、肉眼と比べてはるかに精密な治療が可能となりました。歯を削る際、悪い部分のみ最小限削り、健康な部分は残すことで、残された歯の負担は減少します。
しかしその分、細部まで確認するために治療時間が長くなってしまいます。肉眼では確認できない部位まで確認できることで治療の質が向上したのは非常に良い点ですが、治療時間が長くなってしまうのはデメリットといえるでしょう。
自費治療になる場合があると聞きましたが本当ですか?
マイクロスコープを用いた治療が自費治療になるケースが多いのは事実です。自費治療は保険診療と比べて多額の費用が発生してしまいます。
その相場は3〜10万円(税込)程度となっています。しかし、全てのケースで自費診療になるわけではありません。保険診療の場合、症状により使用できる設備が限られているのです。
マイクロスコープを使用する場合、保険診療対象として費用請求が認められているのは、歯根端切除(歯の根を切る手術)のときだけです。そのため、それ以外の治療の場合は、自費治療になるケースが多いと考えましょう。
ただ、どの症状の治療までマイクロスコープを使用するかは、歯科医院によっても大きく異なってきます。詳しくは歯科医院に直接確認してみましょう。
マイクロスコープ治療を受けられる歯科医院が限られているのはなぜですか?
マイクロスコープは高価な設備であるため、導入されている歯科医院が限られているのです。
根管治療を専門で行っている歯科医院や精密な自費治療を行う歯科医院では徐々に導入されているものの、保険診療中心に行う歯科医院では使用頻度が少なく、積極的な導入はされていません。
普及率は全国で5%程度と、非常に低い数値となっています。
この数値から分かることは、マイクロスコープを使用した質の高い治療が受けたいと思っても、近くの歯科医院に設置されていない可能性は低いことです。その点は大きなデメリットといえるでしょう。

マイクロスコープを用いた歯科治療のメリットについて

マイクロスコープを用いた歯科治療のメリットについて

通常の歯科治療に比べて治療の成功率が高まるのはなぜですか?
マイクロスコープを使用することでより精密な治療ができるため、成功率が高まります。マイクロスコープは肉眼の約20倍ほど拡大して診察できるので、肉眼では確認できなかった部位まで正確に診断できます。
従来の治療法では歯科医師の経験と技術に委ねられていたので、成功率に大きなばらつきがありました。それらのマイナスポイントを大きく改善できたのがマイクロスコープ治療なのです。
特に力を発揮するのは、歯の根の治療の際です。歯の根は個人差も大きく、細かく複雑な形態をしています。もし治療しきれていない場合、再発してしまうこともあります。
マイクロスコープを使用すれば、肉眼のように見落としてしまう確率は格段に減るでしょう。そのため、マイクロスコープを用いた治療は成功率が高いといわれているのです。
自分の歯を長持ちさせられる治療といわれる理由について教えてください。
マイクロスコープを使用すると精密な治療を行えるため、健康な歯を削らずに悪い部分のみ削ることができます。そうすることで歯の負担は減り、結果として歯を長持ちさせることに繋がるのです。
肉眼治療の場合は限界があります。悪い部位が残っていれば再発してしまうので、確実に削るには健康な歯も一部削ることになってしまいます。歯は一生使う大切な体の一部なので、少しでも負担を減らせるのは大きなメリットです。

歯科医院でのマイクロスコープを用いた治療内容について

歯科医院でのマイクロスコープを用いた治療内容について

マイクロスコープはどのような歯科治療に使われるのでしょうか?
マイクロスコープが最も必要とされる治療が、根管治療です。
根管治療とは、いわゆる神経を抜く治療です。歯の中には歯髄と呼ばれる、神経や血管を含む組織があります。歯髄が壊死したり、感染したりすると、歯髄を除去する根管治療が必要となるのです。
根管治療は汚染された組織を除去しきれていないと再発してしまいます。マイクロスコープを使用しない従来の治療では、成功率は歯科医師の経験や技術に委ねられるため大きなばらつきがありました。
マイクロスコープ治療により、根管治療の精度は格段に向上したのです。歯の中は複雑な形態をしており肉眼では限界があるため、治療の成功率を高めるにはマイクロスコープの使用が欠かせないのです。
マイクロスコープを用いた治療と通常の歯科治療の違いを教えてください。
大きく違うのは、治療の成功率です。
マイクロスコープを使用しない従来の治療方法では精度に限界があり、成功率が低くなる傾向があります。マイクロスコープを使用することで成功率をあげ、再発を防ぐことができるのです。
また、悪い部位のみを最小限削ることができるので、残された歯への負担も少なくなります。
拡大鏡とマイクロスコープの違いは何ですか?
大きな違いは、拡大率と可動範囲です。
拡大鏡の拡大率は2倍〜10倍程度で、拡大率の調節はできません。また、拡大鏡はメガネのように頭部に装着する装置なので、頭が動く範囲であれば自由に視点を変えられ立体的に見ることができます。
一方、マイクロスコープの拡大率は4〜20倍程度と拡大鏡と比べて高いです。
しかし、機械の可動範囲が限られているため直視できる範囲は狭くなります。根管治療などの精密さが求められる治療ではマイクロスコープに利点があり、詰め物や被せものなど歯を立体的に見ることが求められる治療では拡大鏡に利点があります。
拡大率だけに着眼するとマイクロスコープの方が優れているように感じてしまいますが、それぞれに一長一短があるのです。症状により、その都度適切な器具を使用することがより良い治療に繋がるでしょう。
マイクロスコープ治療の流れについて教えてください。
マイクロスコープを使用するからといって、通常の治療と大きく流れが異なるわけではありません。診断をするときや歯を削るときなどにマイクロスコープを使用します。
しかし、精密さが要求されるため、通常より時間がかかってしまうことは頭に入れておきましょう。
マイクロスコープ治療を受ける際の注意点について教えてください。
マイクロスコープ治療は自費治療となることが多く、治療費が高額になってしまうケースが多いです。どの程度の費用がかかるのかあらかじめ確認しておくようにしましょう。
また、マイクロスコープ治療を受けること事態が目的とならないように気をつけたいところです。マイクロスコープは確かに優れた設備ではありますが、あくまで目的は歯を治療することです。
設備が整っているのに越したことはありませんが、設備だけでなく総合的に判断して歯科医院を選択しましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで読み進めていただいた方は、マイクロスコープ治療についての疑問が晴れたのではないでしょうか。

歯の根のような非常に細かい部位を治療するときは、特に有効な治療方法であることがお分かりいただけたと思います。

ただ、何事にもいえることですが、良い面だけを見て決めるのは危険です。良い面と悪い面を総合的に見て判断することが、治療成功への近道といえるでしょう。

重要なことなので、再度マイクロスコープ治療のメリット・デメリットをおさらいしておきましょう。

メリットとしては、肉眼の約20倍の拡大率により、精密な診断・治療が可能です。根管治療などの細かさが求められる治療において特に重宝されています。

その結果、成功率が高くなり再発リスクは減少します。また、歯の悪い部分のみ最小限削ることができるので、残された歯の負担が少ないこともメリットです。

デメリットとしては、マイクロスコープ治療は自費治療となるケースが多く、治療費が高額になりやすいです。また、普及率は全国で約5%ほどと、かなり低い数値となっています。

質の高い治療が受けられるのは大きなメリットではありますが、その分費用がかさんだり設備のある歯科医院を探す手間がかかったりすることはデメリットといえるでしょう。

以上のことを考慮し、歯科医院や治療方法の選択は慎重に行いたいものです。

健康の大切さは失って初めて分かります。歯に痛みやトラブルがあれば、毎日の食事の楽しさも半減してしまいます。

もし歯に違和感があれば、早急に歯科医院を受診するようにして、早期治療に努めたいものです。そうすれば、大切な歯を守ることができるでしょう。

ぜひ本記事の内容を、皆さまの歯の健康維持に役立てていただけたら幸いです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
若菜 康弘医師(若菜歯科医院院長)

若菜 康弘医師(若菜歯科医院院長)

鶴見大学歯学部大学院卒業 / 現在は若菜歯科医院の院長

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