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感染根管を放置するリスクは?原因・治療法についても解説

感染根管を放置するリスクは?原因・治療法についても解説

根管が感染すると、風邪やインフルエンザのように自然治癒はしません。ですが、歯の状態を直接みることができないので、感染していると気づかない方もいます。

歯の神経にまで細菌が広がると、歯茎の腫れや痛みなどの症状が現れ、日々の生活に苦痛を感じるようになります。

ただ、一定期間を過ぎると症状が消失することもあり、症状がなくなれば歯科医院を受診しない方もいるでしょう。

この記事では、感染根管になる原因や放置するリスクについて解説していきます。歯茎が痛む方や腫れている方は、ぜひ参考にしてみてください。

感染根管の原因や放置するリスク

感染根管の原因や放置するリスク

感染根管とはどのような状態ですか?
感染根管とは、歯髄が細菌により感染し、状況によっては壊死した状態です。歯髄は、神経や血管が集まった器官であり、細菌やウイルスに感染すると十分な機能を果たせません。感染した歯髄は「歯髄炎」と呼ばれ、治療しなければ細菌は広がり続けます。根管が感染していると、細菌が全身へと溢れだし、アレルギーの発症やほかの臓器への感染の可能性も示唆されています。感染の拡大を防ぐためにも、早めの治療が必要です。
原因を教えてください。
感染根管は以下の3つのいずれかが主な原因です。

  • むし歯の発症・進行にともなう感染
  • 治療後に別の場所から細菌が侵入し感染
  • 以前行った根管治療で細菌が残っていたことによる再発

むし歯は自然治癒することはないため、歯の表面だけだったむし歯は進行し続けると歯の神経まで到達し、感染根管になります。根管治療後の歯にどこかしらから細菌が侵入し、感染を起こした可能性があります。また、以前根管治療を行った方であれば、細菌が除去できておらず再発した可能性も考えられるでしょう。ほかにも歯が割れていたり、深い歯周ポケットがあったりすると、歯の外から根管内に細菌が侵入する原因になります。

症状について教えてください。
感染根管の症状として代表的なものは、痛みや腫れです。感染根管においては、基本的に歯髄が感染を起こしている状態です。歯髄で繁殖した細菌が歯の内部にまで侵入して骨を溶かし、膿が溜まり炎症が起こります。この炎症を根尖性歯周炎といい、歯の中に神経がないときでも痛みや腫れを感じます。また、急性化膿性根尖性歯周炎などを発症すると、自発痛をともない、強い痛みを感じます。物が飲み込めないほどの疼痛で、痛み止めを飲んでも効かず、歯肉が腫れる場合もあるでしょう。慢性的になると、普段の生活では痛みはなくなり、体調がすぐれないときに痛みが出るのが特徴です。加えて、歯の中で増殖し続ける細菌が、歯を支えている歯根の周囲の骨も溶かしはじめます。身体の免疫細胞が感染を治そうとしますが、細菌との闘いに敗れた場合、歯の周りに膿も溜まりはじめるでしょう。
感染根管を放置するリスクについて教えてください。
感染根管を放置する大きなリスクは、1本だけだった感染がほかの歯にも広がり、抜歯せざるを得ない状況になることです。歯髄炎の状態では、痛みをはじめとする、自覚できる症状が出現します。しかし、感染が進行すると歯髄は腐り、痛みを感じる神経も機能しません。痛みも消えてしまい、歯の状態を軽視してしまう可能性もあります。歯茎に膿が溜まっていても、口の中は暗くて狭いため自分でみることは困難です。また、根管のさらより先にある根尖病変がみられた場合、抜歯するリスクはさらに高くなります。細菌は歯の血管に侵入し、ほかの歯だけでなく、血液の流れを利用して全身へと広がるでしょう。唾液に細菌が混ざり、誤嚥すると肺炎になる可能性もあります。口の健康は、全身の健康維持へも大きな影響力があります。歯に気になる症状がある方は、早めに歯科医院を受診することがおすすめです。

感染根管の検査や治療法

感染根管の検査や治療法

どのような検査が行われますか?
検査はレントゲン・歯周ポケットの検査・CT検査などを行います。歯の根管は小さく複雑な形をしている場合もあり、見落としがないように注意を払います。歯科医師による触診や視診も含め、歯の状態を正確に把握するためにも必要な検査です。また、持病がある方はあらかじめ歯科医師に伝えておくことも忘れてはいけません。病気の主治医との連携も必要になるため、通っている病院や内服している薬は必ず伝えてください。
治療法を教えてください。
感染根管の治療法は、根管内の掃除・殺菌・詰め物の注入・密封などです。すべての工程が終了したら、かぶせ物を装着します。処置する際には、痛みを感じないように麻酔をします。

  1. 歯のかぶせ物・詰め物などを撤去(以前根管治療をしている方が対象)
  2. 歯が欠けている場合、隔壁(人工的な壁)の設置
  3. ラバーダム防湿の装着
  4. 根管内の詰め物の撤去
  5. 根管内の細菌・付着しているむし歯の清掃・殺菌
  6. 空洞ができた根管内に新しい詰め物を注入し密封
  7. かぶせ物を装着

感染根管の治療でも、根管治療とほとんど変化はありません。再発しないように、丁寧に行います。治療時間は、1時間〜2時間半ほどです。保険診療の場合、使用できない物品もあるため、カウンセリング時に確認してみてください。

治療期間はどのくらいですか?
感染している場合でも、治療法は通常の根管治療と大差ないため、1回〜4回ほど(約1ヶ月)治療が必要です。根管の状態が悪かったり、形がいびつだったりする場合は、治療期間は数ヶ月になる可能性もあります。また、感染根管治療の成功率は90%前後とされており、感染拡大を防ぐためにも早めの治療が必要です。治療が終了しても、歯の状態を診察するために定期的に通院しましょう。
感染根管の治療には保険が適用されますか?
感染根管の治療では、ほとんどの場合で保険が適用されます。しかし、保険適用の治療方法には制限があり、自由診療と比較すると治療の成功率は下がる傾向です。使用できる機器や薬剤も限られていますが、費用は数千円で治療が受けられます。自由診療は新しい医療機器を使用でき、薬剤も使い分けることが可能ですが、価格は10万円(税込)程度です。治療は1回で終わらない可能性もあるため、費用は増えるかもしれません。ですが、根管治療は医療費控除の対象になるため、医療費を抑えることができるでしょう。

感染根管の再発や注意点

感染根管の再発や注意点

感染根管は再発することはありますか?
治療方法によって感染根管治療の成功率は異なりますが、いずれも再発するリスクはあります。また、初回の治療と比べて2回目の治療の成功率は下がるとされています。考えられる原因は、以下の2つです。

  • 象牙細管内に細菌が残っていた
  • 根尖部まで医療器具が届かず、細菌を十分に除去できていなかった

象牙細管とは、歯の内側に存在しており、歯に加わった痛みや冷たさを歯髄へと伝達する器官です。放射線状になっており、治療時に清掃・殺菌で取り切れなかった細菌から、再発する可能性があります。なお、感染根管治療では100%の無菌化は不可能とされています。治療においては再度再発しないようなレベルまで無菌化すること、細菌が残っていたとしてもそれが活発化しないように包埋することなどが治療のゴールとなります。口腔内の細菌が全身に広がる可能性があるときは、抗生剤を内服し、感染拡大しないためのアプローチが必要です。

治療後に痛みがある場合の過ごし方や注意点について教えてください。
根管治療後は、2人に1人が治療部位に痛みを感じます。治療してから2〜3日は痛みがピークに達することが多いですが、1週間ほどで痛みは消失します。症状を緩和するためには、痛み止めの内服が効果的です。1種類では効かない場合は、2種類にして内服する方法もあります。しかし痛みが持続したり、歯に原因がない痛みが現れたりする場合は、歯科医院への受診が必要かもしれません。治療後は、硬い食べ物やキャラメルのような粘着性のある食べ物を控えましょう。歯が割れてしまったり、かぶせ物が外れたりする原因になります。万が一、治療した歯にトラブルが生じた場合は、すぐに歯科医院を受診してください。

編集部まとめ

編集部まとめ

感染根管は、むし歯や歯周病が原因で発症するリスクがある病気です。

痛みは、身体の中に異常がある証拠です。歯茎の痛みや腫れに気がついたときには、感染根管の可能性があります。

加えて、歯髄への感染は歯を失うリスクが高く、早めの治療が大切です。根管治療は、早く行うほど成功率も高くなります。

歯茎に痛みや腫れがある方は、早めに歯科医院を受診してください。口の健康は身体の健康維持に関わります。

感染根管の症状が現れたら、早めに治療し健康で充実した生活を送りましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

鶴見大学歯学部 卒業 / 平成24年歯科医師免許証 取得 / 現在は地挽歯科医院、蕨にしき町歯科・口腔外科(いずれも非常勤)

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坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

鶴見大学歯学部 卒業 / 平成24年歯科医師免許証 取得 / 現在は地挽歯科医院、蕨にしき町歯科・口腔外科(いずれも非常勤)

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