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根管治療

根管治療中の痛みが心配!根管治療で痛みが出る原因や、対処法について解説

根管治療中の痛みが心配!根管治療で痛みが出る原因や、対処法について解説

むし歯が進行して神経まで達してしまった場合、歯の神経を除去し、根の中を消毒・清掃する「根管治療」が必要になります。しかし、この治療中に痛みを感じてしまう方も少なくありません。
本記事では、根管治療中に痛みが発生する原因と、それを軽減するための対処法について解説します。

  • 根管治療で痛みが出る原因
  • 根管治療で痛みを少なくする方法
  • 根管治療の痛みの対処法

根管治療中の痛みへの理解を深め、安心して治療を受けられるように準備しましょう。 ぜひ最後までお読みください。

根管治療とは

根管治療とは

根管治療は、むし歯などで損傷した歯髄を取り除き、歯を保存するための治療です。具体的には、歯髄の炎症や感染が進んだ場合に行われ、感染した神経組織を除去して歯内を清掃し、消毒後に根管を充填して歯を再建します。

根管治療には、抜髄、感染根管治療、再根管治療、外科的歯内療法などの方法があり、症状や歯の状態に応じて適切な手法が選択されます。
根管治療は、適切に行うと歯を長期間健康な状態を保てますが、技術を要するため、医師のスキルが求められます。

また、根管治療の期間は、個々の症例によって異なりますが、数日~数週間程度かかるとされています。具体的な治療期間は、以下のとおりです。

  • 感染の程度:深刻な感染や複数の根管が関与している場合、治療は段階的に進むことがあります。
  • 炎症の有無:炎症が広範囲にわたる場合、炎症を抑えるための予備治療が必要になることがあります。
  • 歯の位置:奥歯(特に上顎の大臼歯)は根が複数あり、曲がっていることも多いため、治療が困難で時間が長くかかることが多い傾向です。
  • 治療の複雑性:歯の根の曲がりや狭さ、以前に行われた歯科治療の影響など、さまざまな因子が治療の複雑性を増します。

根管治療は痛いのか

根管治療は痛いのか

根管治療は、神経を取り除いた後に行われるため、理論的には痛みを感じることは少ないとされています。治療には、局所麻酔が使用され、麻酔が効いている間は痛みをほとんど感じないといわれています。しかし、治療中に神経の一部が残っている場合や、歯の根や周囲の組織が敏感である場合、痛みを感じることがあります​。

また、治療後に痛みが発生することがあります。治療中の機械的な刺激や、歯の根が細菌感染を解消できていない場合によく見られます。また、根管治療が完了した後でも、根管内部や歯根膜の微細な隙間に細菌が残っていると、痛みや炎症が再発することがあります。
痛みを感じる場合は、医師にその旨を伝え、必要に応じて追加の麻酔や痛み止めの調整、さらなる治療が重要です。

また、根管治療は、いくつかの合併症が生じる可能性があります。以下に、主な合併症を挙げます。

  • 根管の破損:治療中に歯の根が破損することがあります。根が脆いまたは以前に治療を受けた歯で発生しやすいです。
  • 器具の破片が歯内に残る:極めてまれな事態ですが、根管をクリーニングする際に使用される細い器具が折れて歯内に残ってしまうことがあります。
  • 感染の継続または再発:根管治療の目的は感染を除去することですが、ときに全ての細菌が除去されず、感染が持続するか再発することがあります。
  • 治療部位の再感染:根管が適切に封鎖されなかった場合、細菌が侵入して再感染を引き起こす可能性があります。
  • 歯の変色:根管治療を受けた歯は、内部の材料が歯の色を変えるため、時間が経つにつれて変色することがあります。

根管治療で痛みが出る原因

根管治療で痛みが出る原因

根管治療中に経験する痛みは、多くの患者さんにとって気がかりな問題です。 この痛みにはいくつかの原因があります。以下では、根管治療において痛みが生じる痛みについて解説します。

麻酔が効いていない

根管治療中に痛みが発生する原因の一つとして、麻酔が十分に効いていないことが挙げられます。根管治療は、感染した歯髄(歯の神経)を除去し、歯の内部を清掃する処理ですが、麻酔が不十分な場合、患者さんは強い痛みを感じることがあります。 炎症が激しい場合や歯髄がまだ残っている場合、通常の麻酔量では本来の作用が不足することがあります。

このような状況では、歯科医は麻酔量を増やし、異なるタイプの麻酔を使用することで対応します。また、局所麻酔の前に表面麻酔を施すこともあります。

炎症や膿によるもの

炎症や膿の存在も、根管治療中に痛みが発生する原因の一つとして挙げられます。歯の根の部分に細菌が侵入し、膿がたまることがあり、根尖病巣(こんせんびょうそう)と呼ばれます。炎症が広がりやすいので、深刻な場合は速やかに治療する必要があります。
炎症や膿によって周囲の組織が圧迫されると、激しい痛みが発生するため、根管治療においてはこれらを適切に管理し、必要な場合には抗生剤の投与やさらなる処置が行われます。

薬剤がしみている

使用される薬剤が、歯の根の敏感な部分にしみる場合があります。 治療時に用いられる薬剤は歯内を消毒し感染を抑える目的がありますが、薬剤が周囲の神経組織に刺激を与えると、痛みを感じることがあります。
主に、歯髄が取り除かれた後の露出した神経がある場合や炎症が激しい場合に、薬剤が直接これらに触れると痛みが強くなる可能性があります。

神経が過敏になっている

根管内の神経が歯髄の病的変化や治療過程で刺激を受けることにより、神経が過敏になってしまいます。神経が過敏になると、麻酔が正常に作用しない場合があり、治療中の痛みを引き起こす原因になります。過敏な神経への対処としては、麻酔を追加で使用したり、抗炎症薬を用いたりします。

咀嚼による痛み

治療によって歯髄が取り除かれ、歯根膜に炎症が及ぶことが原因で、咀嚼による痛みが発生することがあります。歯根膜は噛む力を吸収する役割を持っており、この部分が炎症を起こすと、食事中に痛みを感じることがあります。
治療が完了しても、歯が敏感な状態が続くことがあるため、治療後は硬い食べ物を避けるなど、咀嚼に注意が必要です。

根管治療で痛みを少なくする方法

根管治療で痛みを少なくする方法

根管治療は、しばしば痛みを伴うことがあります。この痛みを抑えるためには、いくつかの方法が存在します。以下では、根管治療の痛みを軽減するさまざまなアプローチについて解説します。

麻酔をする

根管治療中に痛みを少なくする主要な方法として、麻酔の使用があります。 根管治療では、感染した歯髄を取り除く過程で、痛みを感じる可能性がありますが、局所麻酔を用いると、治療中の不快感を軽減できるとされています。
麻酔は、治療部位の炎症の程度や個々の痛みの感受性に応じて調整されるため、治療前に歯科医師と痛みについて十分に話し合いましょう。

唾液が歯に接触しないよう注意する

根管治療で痛みを少なくするための対策として、治療中に唾液が歯に接触しないよう注意することが挙げられます。
唾液中に含まれる細菌が露出した歯髄や治療中の開いた根管に侵入すると、感染を引き起こし痛みの原因となり得るからです。このため、歯科医師は治療中にラバーダムを使用して、治療対象の歯を唾液から隔離します。

ラバーダムは薄いゴム製のシートで、治療中の歯以外を覆い、唾液との接触を防ぐ役割を果たします。これにより、治療部位が乾燥した状態を保ち、細菌の侵入を防ぎながら治療を進めるため、感染リスクと痛みを軽減するといわれています。

治療回数を少なくする

根管治療で痛みを少なくするためには、治療回数を減らすことも一つの方法です。根管治療は、複数回にわたって行われますが、治療回数が多いと患者さんの不快感や痛みが増える可能性があります。

例えば、精密な根管治療を行うために先端技術の使用により、治療回数を減らせるといわれています。使用する器具や技術によっては、1回の治療で根管内の状態を改善し、感染のリスクを減らせます。にも、治療回数を減らすために、CT撮影を活用して歯の状態を正確に把握し、必要な治療計画を立てることも良い方法です。

治療を途中で辞めない

治療を途中で止めると、一時的には痛みが和らぐことがあるかもしれませんが、感染が解消されず、症状が再発する可能性が高まります。感染が残ると痛みは長引き、場合によってはさらに重症化することもあります。
ですので、痛みがあるからといって治療を途中でやめないことが重要です。

根管治療の痛みの対処法

根管治療の痛みの対処法

根管治療を受ける際に痛みを感じてしまいますが、現代の歯科技術により、痛みは軽減可能とされています。以下では、根管治療の痛みの対処法について解説します。

鎮痛剤を処方してもらう

根管治療の痛みを管理する方法として、鎮痛剤の使用があります。多くの歯科医師は、治療中や治療後の痛みを和らげるために、適切な量の鎮痛剤を処方します。 根管治療中の痛みには、アセトアミノフェンやロキソプロフェンなどの鎮痛剤が処方されます。処方薬は、市販のものよりも影響が強くでるので、炎症を抑える作用も期待できます。

強い痛みの場合は、オピオイドが処方されることもありますが、オピオイド(麻薬性鎮痛剤)は強い副作用があるため、医師の指示に従って服用することが重要です。

オピオイドの副作用は主に便秘で、オピオイドが消化管の運動を遅らせるために生じます。また、薬剤は中枢神経系を抑制することから、吐き気や嘔吐、眠気、めまいが引き起こされることがあり、治療の初期段階で症状が見られることがあります。

さらに、オピオイドは呼吸抑制を引き起こすリスクがあり、高用量での使用は危険といわれています。長期間の使用は身体的および心理的依存を生じる可能性があり、薬への耐性が発生し、同じ作用を得るためにより多くの量が必要になることも問題です。
認知機能にも影響を及ぼすことがあり、記憶力や判断力が低下する可能性があります。また、使用者に抑うつや不安といった気分の変動をもたらすこともあります。

運動や入浴を避ける

術直後のように、体内で急性炎症が起きている場合は、まずは局所の安静と冷却により消炎を試みるべきです。運動は心負荷がかかり血圧の変動や末梢血液量への影響から治癒に影響を及ぼすことが予想されます。
また、入浴では血流は増大しませんが、入浴により末梢血流量は減少し、それによって心負荷がかかり、体への負担や創の治癒に影響を及ぼすことが考えられます。

また、熱いお湯での長時間の入浴も同様に避けるべきです。熱は、炎症を悪化させることがあり、治療した歯の周囲の敏感な組織にストレスを与えることになるかもしれません。

代わりに、治療後の初日は、リラックスできる方法を見つけることがいいでしょう。例えば、静かな環境で音楽を聴く、または軽い読書を楽しむなどがあります。 いずれにせよ、根管治療後のケアについては、治療を行った歯科医師の指示に従いましょう。

まとめ

まとめ

ここまで、根管治療で痛みが出る原因や、対処法について解説しました。 要点をまとめると、以下のとおりです。

  • 根管治療は、歯髄の炎症や感染が進んだ場合に行われ、感染した神経組織を除去して歯内を清掃し、消毒後に根管を充填して歯を再建する治療法
  • 根管治療で痛みが出る原因はいくつかあり、炎症や膿によるものだったり、薬剤がしみていたり、神経が過敏になっていたりする場合がある
  • 根管治療の痛みの対処法として、医師から鎮痛剤を処方してもらう以外にも、運動や入浴を避けることも方法の一つである

根管治療中の痛みは、さまざまな原因によって起こります。痛みを感じたら、歯科医師に相談し、適切な対処法を受けることが大切です。

この記事が、根管治療中の方や治療を検討している方の役に立てれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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